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映像制作への道
〜 ある日の制作ストーリー 〜

私たちイメージサイエンスの仕事の原点は「映像制作」。でも、よく言われるんです。「映像制作」ってどんな仕事? なかなか一言で言えるもんでもありません。ちょっと長くなりますけど、ある仕事の始まりから終わりまでをレポートしてみました。

企 画
なにかおもしろいものを!
なにがおもしろいものか??

企業のPR、イベント用映像、セルビデオやDVD、教材用ビデオなど、映像の需要は多種多様です。

まず、基本的に当社で多い仕事は、様々な企業からあるいは数多の広告代理店からの映像(主にビデオ)制作の発注です。

以下段階を追って紹介する制作の仕事はクライアントの企業からの発注による映像制作と⾔うほんの⼀例です。

まず、企画。この段階で、発注者の意図をくみ、作ろうとしているものを理解しつつ、企画書あるいは構成案の作成に⼊ります。

ここで、企画や構成を作るのは、主にディレクターやプランナー。私たちイメージサイエンスの制作する映像は主に「長モノ(といっても2、3分のものも最近では多い)」と言われているPRビデオパッケージがほとんどで、だいたいディレクター・イコール・プランナーという形をとることが多いです。

一つの案を出せば済むこともあれば、場合によっては、2、3案の企画構成案を出すこともあります。

つまり、企画とは、
映像制作の始まり
想像力と創造力の活用なのです!

シナリオ作成
何回書き直すかが
勝負!?

さて、クライアントや代理店のお気に入りの企画が固まれば、次は、それを「本」にしなければなりません。シナリオです。

ある程度、資料でシナリオが書ける場合もありますし、構成案を元にしながら、各地、企業の現場等に取材して(シナリオ・ハンティング、シナハンと言う)から、シナリオの執筆に着手することもあります。

シナリオが一発でOKをとることはそう多くはありません。クライアントから、ああだこうだと取り入れてほしいという項目・要望も多いです。

しかし、予算があらかじめ決まっていることが多く、それらのアイテムを制作物に取り入れるかどうかの判断も必要です。

そういったやり取りがある程度行われ、シナリオが完成形に近くなります。しかし、ほとんどが、制作の途中でも、ある程度の変更を余儀なくされることも多く、完成シナリオという名称は大体仕事が完了したときに出来上がることが多いのです。

最初に上がったシナリオの初稿が「第1稿」で、ある程度修正やアレンジが入ると「第2稿」となっていき、「3」「4」「5」と進んでいきます。「第18稿」なんてこともありましたが、それは滅多にないでしょう。

つまり、シナリオ作成とは、
映像を形にする前に、
まず文字にする仕事なのです!

ロケハン
Seeing is Believing
よく見てよく考えろ!

シナリオがある程度固まってくると、撮影項目の整理です。そして、その項目表に沿って、撮影現場の下見が必要です。ロケーション・ハンティング、ロケハンと言われる作業です。

予算次第でもあるのですが、シナハンもロケハンもなく、撮影に入ることもあります。しかし、確実によい作品を作るなら、それぞれの下見や取材は大切です。ここらの見極めも、制作スタッフの手腕になってくるでしょう。

ロケハンには、カメラマンを連れて行ったり、それに加えて照明マンを連れていくこともあります。

スタジオ撮影ならともかく、企業から制作依頼を受けるPR映像というものは、お客様の仕事先現場のオフィスや、研究所、工場で撮影することが多く、狭い現場、散らかった現場、撮影禁止の現場など様々です。

見た目の下見だけでなく、機材の搬入路や照明等で取れる電力量のチェック、食事の手配先の確認など事前に知っておかなくてはならないポイントは少なくありません。

そういう意味でも、ロケハンは大事な作業です。

つまり、ロケハンとは、
撮影に向けての準備の大事な
原点なのです!

スタッフ打ち合わせ
知力と体力の集結

出来れば、ロケハンのあと、再びスタッフを集めて、撮影打ち合わせなどを行うことも理想です。ディレクターが欲しい映像を撮る為の撮影機材の選定。

これくらいの規模の構図が欲しい、というような具体的な要望にあわせて、レンズの準備も必要でしょう。

カメラだけではありません。横の流れるような動きを付ける為にカメラを乗せる移動車(場合によってはレールを敷いてその上を動かす台車)が必要なときもあります。

上下の動きが必要なときはカメラを載せる専用のクレーン、大きなものもあれば、2メートルくらいの小さなものまで。クレーンを移動車に載せて複雑な動きを付けることもあるでしょう。

そしてその動きある映像を確実にきれいにおさめる為の照明機材の確認。現場が暗かったなら、ある程度の量の照明機材が必要となります。

場合によっては、屋外の撮影でも、必ずしも晴天ではないことを考えて照明 機材を準備することさえあります。様々な状況を想定し、最高の絵が撮れるように、みんなで頭を悩ますわけです。

つまり、映像とはたくさんの
人の手によって作られるもの。
スタッフ打ち合わせは、たくさんの
人が集まる一場面なのです!

香盤表
何で香盤??

各現場でどのくらい時間がかかるかを、スタッフみんなで考えてみて、撮影の時間割を作らなければなりません。

また、効率よい撮影を進めるために、最初にどのポジションから、どのサイズの、どの構図からとるかという順番も決めておかなければならないでしょう。

単なるタイム・スケジュールよりも細かいものが「香盤表」と呼ばれます。

この香盤ですが、仏教の世界からきた言葉なのです。香盤とは、お線香を立てる台のことで、四角い升目になっています。

その升目の中にお線香を立てる穴が開いているのですが、撮影の時間割も升目(表組み)になっていて、丸が書いてあることがあります。撮影予定表が香盤の升目の中に丸がある様子が似ていたのです。

つまり、香盤表とは、
撮影のための時間割作りです!

撮影
北は北極、南は南極まで

撮影です。スタジオに一日閉じこもることもあります。遠い地方、時には海外のいろいろな国に行って撮影することもあります。

それぞれの場所で、香盤表に沿って、適確に撮影が進むこともあります。その場その場で、ディレクターの思いつきで、予定にないカットを撮ることもあります。

たった一つの数秒の場面を狙うのに、何時間もかかることもあるのです。しかし、ある意味、そんなこだわりを持つことが、映像作りの醍醐味であるとも言えるのです。

つまり、撮影こそが、
映像作りに最も際立って
重要な作業なのです!

CG
生命を吹き込まれた絵画

シナリオに書かれている場面場面がほとんど撮影されることによって、見えてきました。

しかし、企業のPRビデオなどでは、必ずしも実写映像ばかりで構成されるわけでもありません。

データやグラフの紹介と言う場面もあります。アニメーションやCGを使って表現することも多くなっています。

さすがに、当社でCGを作るということは皆無とはいえませんが、CGクリエイターに頼むケースがほとんどです。これらの、グラフィックの発注やデータの整理なども、仕事の一つとなってきています。

また、映像も、最近では「データ」という形をとるようになってきました。データを整理し、データを扱う、つまり仕事の上でパソコンを使いこなすと言ったスキルも、最近では要求されてきています。

つまりCGはある意味、
新時代の映像作りの最も
象徴的な一手段と言えます。

編集
新しい編集の形

そんな「データを扱う仕事」で、今や最も最たるものとなっているのが、「ビデオ・ノンリニア編集」です。

ビデオは、数年前までは、テープからテープにコピーを繰り返して、場面をつないで、作品を構成して行くと言う「テープ編集」つまり「リニア編集」でした。

しかし、パソコンが流布し、映像がデータとして扱われるようになった今、主流は「ノンリニア編集」となりました。

AvidやFinalCutPro、あるいはPremere、AfterEffects等のアプリケーションの名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。

それらの新しい技術、ソフトやハードを駆使して、映像が作品という形を成して行くのです。

編集は、専門家を雇うこともあれば、ディレクターが自分でつなげることもあります。

また、指示に沿って、制作アシスタントが、編集するということもあり得るでしょう。

そして映像は4Kの時代に突入しました。扱うデータ量がどんどん増大して、パソコンの能力アップが要求されます。

編集は、映像という積み木パズルの
組み立てとも言えるでしょう!

録音
美声と音楽に酔いしれろ!

編集が済んだ映像は、既にほとんど完成形と言えるものになってきました。最後に待っている作業は、「録音」です。

ナレーターをスタジオに呼んでナレーションを読んでもらいます。ナレーションが必要な場面に、ナレーションをあわせて録っていきます。

もちろん、音は「言葉」だけではありません。音楽も必要です。

ある意味では、無機質になりがちな映像に感情移入がしやすいように、見ている人の耳から入って心を揺さぶるような音楽がつくこともあります。

あるときは作曲家に依頼して曲を作ってもらい、それを使うこともあります。あるときは、音楽のライブラリから、内容に適したBGMを選び出して、使用することもあります。

ナレーターはもちろんですが、音楽を付ける作業も専門家に依頼して、編集の途中で、打ち合わせをして、どのような音楽を付けていくかを事前に打ち合わせするのです。

優れたテクニカルスタッフが結集して、すばらしい映像、素敵なサウンドが、一本の「映像作品」を完成させます。

つまり、音は、
映像とは違った意味で、
作品の重要な表現ポイントでも
あるのです!

完成
やれやれだぜ・・・

作品が完成した、そのとき、一本の「仕事」が終わりです。(まあ、納品とかの雑用も残るでしょうけど)

最初の企画打ち合わせのことを思い出してみると、終わった!! という充実感に浸ることができるでしょう。撮影の時つらかったこと、きつかったことも、なぜか楽しい記憶として残ることも多いです。

これが、映像制作という仕事の面白いところなのです。

さあ!!
打ち上げパーティに
いきましょう!!!

この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体等に関係するかもしれません。
しかし、この物語は最初に申し上げた通り、
映像制作のほんの一例でもあります。
まだまだ、奥深い希望や絶望が待っているかもしれません!(^_^;

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